山田線

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この記事は、最終更新日よりおよそ 3 年 3 ヶ月経過しています。 公式サイトなどで最新情報を確認してください。(最終更新:2021年2月)
📅 筆者の最終訪問時期:2018年夏
本稿は、2018年夏、またはそれ以前の情報です。
山田線へ訪問の際は、予め公式ホームページなどで最新の情報を確認してください。
宮古駅

山田線(やまだせん)は、盛岡駅岩手県盛岡市)から宮古駅(岩手県宮古市)までを結ぶ鉄道路線。運営はJR東日本。全線単線・非電化。

かつては宮古駅を経て釜石駅(岩手県釜石市)までを結んでいたが、この区間は東日本大震災による被災規模が大きく、2011年3月11日より8年間にわたり不通が続いた。復旧後は三陸鉄道に移管され、三陸鉄道リアス線の一部として2019年3月24日より再開した。

海側区間の移管により路線名の山田町陸中山田駅)を通らなくなったが、路線名は変更されていない。

見どころ

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盛岡市内

盛岡の中心市街地盛岡駅の東側、盛岡城跡公園付近にある。市街地方面へは盛岡駅東口からバスが頻発していて、都心循環バス「でんでんむし」は日中10-15分毎。 山田線は残念ながらこの運行本数なのであまり機能していないが、上盛岡駅も中心市街地から近いので、宮古方面へ行く前に時間があれば、城址公園などに立ち寄るのも良いかも。

盛岡市内には桜の名所が多いが、沿線では下記3箇所が知られる。

列車は1日に6本しかないが(;_;)、桜台団地方面のバスは盛岡駅東口発着が毎時1本程度、盛岡バスセンター(城址公園の近く)発着が毎時1本程度あり、後者は上記の龍谷寺や裁判所の前も通る。うまく組み合わせれば桜巡りもしやすそう。

城跡公園も桜の名所のひとつなので、桜巡りをするなら、あわせて立ち寄ると良い。最寄りバス停は「盛岡城跡公園」または「県庁・市役所前」。

秘境

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盛岡~山岸間は盛岡市街地の中を走り、上米内駅もすぐ近くに団地があるが、その先は路線距離で25kmにわたり人家まばらな山の中を走り、携帯電話も長らく圏外になる(ドコモは Band 19 のみ両駅跡付近でのみ入る)。

この間には大志田駅浅岸駅があったが、2016年3月の改正をもって廃止され(冬季閉鎖のため、列車が最後に停まったのは2015年11月30日)、この区間では下車できなくなってしまった。 駅施設はすでに撤去されていたが、浅岸駅付近には保線小屋と思われる建物が残っていた(2018年8月現在)。

かつては両駅とも近くに集落があったようだが、今では住む人はほとんどいなくなってしまったようだ。浅岸駅の近くには中津川地区振興センター(旧中津川小学校)が現存するようだが、森の中で線路からは見えない。

旧大志田駅~旧浅岸駅間には、盛岡市の「もりおか近郊自然歩道大志田・中津川コース が整備されているようだ。歩行距離は約13kmで所要約5時間、上級者向き(健脚向き)となっている。

すでに列車で行くことは叶わず、バス路線も存在せず、電話が通じないのでタクシーを呼ぶこともできず、仮に電話がつながっても来てくれなさそうな山奥なので、ここを歩くとしたら上米内駅から106急行・飛島バス停までの間を踏破するしかない?

上米内駅~飛島地区の間は、大志田林道を挟んで前後はGoogleストリートビューがつながっているので、車両通行可のようだから、夏は輪行、冬はスキーかな…(遭難しても知りません(~_~))

まあ釣りなどで行く人と、駅を見に行く人はいるようだが、さすがに歩く人は…歩いた猛者がいた(=o=)

区界峠

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上米内~区界間は25kmあまりにわたって平均20以上の勾配が続く山越えの区間で、線路は森の中を蛇行しながら登っている。この連続勾配区間を列車はずっと唸りながら走り、高度を上げる。

標高751mの区界峠付近が盛岡市と宮古市の境になっており、線路は(トンネルではなく切り通しで)地上を走って区界峠を越え(右写真)、すぐに区界駅に到着。

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区界駅前(はす向かい)には「道の駅区界高原」があり、レストラン「ビーフビレッヂ区界」には岩手牛メニューあり。後述の106急行バス「区界」バス停もここにある。 駅で降りて時刻表を見ると絶望感が漂うが(苦笑)、駅前で時間を潰すこともできるし、106急行バスは毎時1本程度走っているので、実はそこまで不便でもないたのだが、2020年12月よりバイパス道路が開通してしまい、2020年12月26日の改正以降、多くのバスがそちら経由になってしまったため、区界を通るバスは11本→5本(休日はわずか3本)にまで激減してしまった(T_T)。

駅の南側には牧場区界牧野」があるよう。黒毛和牛を放牧しているとか。宮古市内だが盛岡市営のようだ。

区界駅には交換設備があって、運転扱いのために駅員さんもいて、出札も扱っていたが、2018年3月の改正でCTC(集中制御)化され、交換設備も廃止されて、無人駅になった。

右写真の通り、2018年8月時点で線路はつながっており、交換設備自体はまだ撤去されていなかった。

区界駅(盛岡起点で35.6km)の交換設備がなくなって以降、上米内~川内間 51.6km が1閉塞になってしまい、この間を列車は片道1時間あまりかけて走るので、すると詰めても2時間程度の間隔が空いてしまうことになる。

区界駅は1日2往復ある快速列車の片方が通過するので、停車する列車は下り3本・上り4本になってしまった。106急行バスは毎時1本停まるので、あまり不自由はないのだろうが、寂しい感じはする。

また、2018年4月には交換駅(上米内、区界、川内、茂市)が全て無人化され、同時に陸中川井駅の委託も解除され、盛岡~宮古間は両端以外すべて無人駅になってしまった。定期券や回数券などの購入はどうしているのかと不思議に思うが、もう日常的な利用は盛岡・宮古発着以外にはほとんど無いのかもしれない…

106急行バス

山田線・盛岡~宮古間は、盛岡発朝一番の下り列車が11時台で、1日に4往復(他に途中折り返しが数本)しかない超閑散ダイヤだが、都市間流動がないわけではなく、多くが路線バスを利用しているよう。

盛岡~宮古間には岩手県北バスの「106急行バス」(立ち乗り不可のため全便要予約)が朝5時台から毎時1本弱(休日は減便)走っている。

バスの所要時間は2時間05分~20分ほどで、快速列車(所要2時間5-7分)と大差なく、バスは盛岡市中心部(県庁・市役所前)にも寄ることから、地元の人にとっては利便性が高いのだろう。

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山越えのため線路が蛇行していることもあるのだろうが、JR東も走行性能の高いキハ110を投入するなど改良はしており、しかしこの線形では根本対策が難しいのだろう。 (観光列車に振ろうとしても、両端以外の沿線には観光的な要素もあまり無いのかな…)

車窓の景色も、列車は山の中の深い谷あいを走るため、ずっと森が続き、南側にある早池峰山への眺望もなかなか開けない。

遠野行バス

陸中川井駅からは、かつて国鉄バスが遠野まで連絡していたが、廃止されて村営バス(当時は川井村)に引き継がれ、しばらくは市(村)境を越えて乗り継げると聞いていたが、それもいつの間にやら市境区間が廃止されてしまったようだ。結局乗り通せないままになってしまった…

今では合併して宮古市になった 川井地域バスのページを見たら、この路線は自家用有償運送の先駆けだと書いてあって、ああそうだったと思い直してみたり(^^;。

川井地域バスは「新田」まで行っているよう(1日3本)。一方の遠野市「恩徳」までは岩手県交通バス 土淵線(1日2本)が今でも走っているよう。すると…

盛岡駅1106―(快速リアス)→1235陸中川井駅…川井1310→1343新田…恩徳1559→1651遠野駅前。

逆方向は、遠野駅前1506→1559恩徳…新田1734→1810川井…陸中川井駅1852→2030盛岡駅2050→2304東京駅。

なるほど、6kmくらい歩いて立丸峠を1時間半で越えれば乗り継げるんだなぁ…でも途中の2kmくらいあるトンネルを歩くのが嫌だなぁ(-_-;

岩泉線

ずっと狭い谷あいを一本の線路だけが走っているが、やがて広い構内を持つ駅に着く。茂市駅ではかつて岩泉線が分岐していて、貨物を主に扱っていたので広い構内を持っている。

岩泉線は2010年夏の土砂崩れ以降運休し、もとより乗客が少ないとあって、そのまま廃止・バス転換されたが、2018年時点でホームや線路は残っていた。運休直前のダイヤはたしか1日2往復くらいだったか…

2019年1月現在、岩手県北バス和井内経由清水行が1日5本(土休日は3本)走っていた。

後に東日本交通に引き継がれ、2021年1月現在は1日4本(ただし朝一番の茂市駅行きは途中の清水発)走っている。

宮古

三陸鉄道リアス線を参照

駅一覧(各駅へのリンク)

  • 正確な情報は、最新の時刻表公式ホームページなどで確認してください。
  • リンクが赤色の駅は、本サイトでは現時点で該当記事がありません(準備中または執筆予定無し)。近隣のリンクが青色・紫色の駅の記事をご覧ください。
  • 山田線では、SuicaなどのICカードは利用できません。乗車前に切符を購入するか、現金での精算が必要になります。
駅名 駅間キロ 累計キロ 標高
(m)*
平均勾配
()
接続路線・備考 出札 配線 所在地
盛岡駅
もりおか
- 21.3 132 - Pictogram Railway.pngJR東北新幹線秋田新幹線東北本線田沢湖線
Pictogram Railway.pngIGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線(JR花輪線へ直通運転)
Pictogram Bus.png岩手県交通 Pictogram Bus.png盛岡都心循環バス「でんでんむし」 Pictogram Bus.png盛南ループ Pictogram Bus.png岩手県北バス Pictogram Bus.pngJRバス東北 久慈駅行、岩泉龍泉洞
岩手県
盛岡市
上盛岡駅
かみもりおか
2.8 2.8 131 0.4 Pictogram Bus.png岩手県交通 「県立中央病院前」(徒歩5分)  
山岸駅
やまぎし
2.1 4.9 144 6.2 Pictogram Bus.png岩手県交通 「紅葉ヶ丘団地前」(徒歩3分)  
上米内駅
かみよない
5.0 9.9 201 11.4 Pictogram Bus.png岩手県交通 桜台団地経由松園営業所行(平日のみ1日2本、夜の盛岡発列車から接続)
Pictogram Bus.png岩手県交通 「桜台団地東口」(徒歩7分)
 
大志田駅*
おおしだ
(9.3) - 387 20.0 (廃止) -
浅岸駅*
あさぎし
(8.4) - 575 22.4 (廃止) -
区界駅
くざかい
(8.0)
25.7
35.6 744 (21.1)
21.1
Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「区界」   岩手県
宮古市
松草駅
まつくさ
8.0 43.6 622 15.3    
平津戸駅
ひらつと
8.6 52.2 491 15.2 Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「平津戸」  
川内駅
かわうち
9.3 61.5 311 19.4 Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「川内」(閉伊川を渡って徒歩5分ほど)  
箱石駅
はこいし
4.2 65.7 243 16.2 Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「箱石」(徒歩5分ほど)  
陸中川井駅
りくちゅうかわい
7.8 73.5 187 7.2 Pictogram Bus.png川井地域バス「川井」(駅前)
Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「川井」(閉伊川を渡って徒歩5分ほど)
 
腹帯駅
はらたい
9.1 82.6 87 11.0    
茂市駅
もいち
4.4 87.0 60 6.1 Pictogram Bus.png東日本交通 岩泉茂市線(岩泉線代替バス)「茂市駅」
Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「茂市」(駅から徒歩8分ほどの国道と線路が交差する辺り)
 
蟇目駅
ひきめ
4.5 91.5 29 6.9 Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「蟇目」(南側の踏切を渡って徒歩5分ほど)  
花原市駅
けばらいち
2.7 94.2 21 3.0 Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行「花原市」(駅前)  
千徳駅
せんとく
4.6 98.8 9 2.6 Pictogram Bus.png岩手県北バス 106急行、花輪経由長沢六組行  
宮古駅
みやこ
3.3 102.1 7 0.6 Pictogram Railway.png三陸鉄道リアス線
Pictogram Bus.png岩手県北バス 浄土ヶ浜行、田老経由岩泉小本駅前行、磯鶏経由八木沢団地行、船越駅前行(106急行)、盛岡駅・品川駅経由横浜駅行「BEAM-1」 ほか
Pictogram Ship.png宮古・室蘭フェリー宮古港行バス乗継)
宮古~釜石間(2019年3月23日より三陸鉄道に移管)は三陸鉄道リアス線を参照
  • 大志田駅と浅岸駅はすでに廃止されているが、本文中で触れている関係で参考に掲載したもの。
  • 標高は 駅データ.jp 掲載値を小数点以下四捨五入したもの。元データが非公式なもので、かつ±5mの誤差を許容しており、おそらく駅緯度経度情報地理院地図から機械的に取得したものと考えられるので、参考程度に。ただし区界駅は東北地方最高所にある駅として標高の掲載があるので、公式の値を掲載している(駅データ.jpの値は747.729187)。
  • 平均勾配は上記の駅標高値の差と駅間営業キロで単純計算したものなので、必ずしも勾配状況を表していないこともある。やはり参考程度に。

【凡例】

  • 出札: み=みどりの窓口あり、○=出札窓口あり、△=自動券売機あり(現金のみ)、無印=窓口・券売機なし(車内精算)
  • 配線:|=棒線駅(交換不可)、◇=交換可能駅、◆=スイッチバック駅、∨∧=単線と複線以上の境界駅、‖=複線以上の駅

参考