早戸駅

提供:ゆずの鉄旅のーと Yuznote
早戸温泉から転送)
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只見線
早戸
はやと Hayato
福島県大沼郡三島町
会津宮下 (5.8km) (3.9km) 会津水沼

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管轄 JR東日本.pngJR東日本 仙台支社
配線 1面1線
有人駅 × 無人駅
出札窓口・券売機 × 車内扱・現金のみ
待合室
駅ノートあり(待合室ベンチ)
路線バス 三島町営バス「湯の平」(徒歩6分、標柱無し、デマンド便は要予約)
会津バス「早戸温泉」(徒歩6分、不定期運行)
タクシー 会津川口駅付近から呼出(川口タクシー 0241-54-2255
シェアサイクル・レンタサイクル ×
トイレ ×
飲料自動販売機 ×
売店 徒歩10分ほどの「早戸温泉つるの湯」日帰り温泉棟にあり
携帯電話圏内 ドコモ au SB(2023年 1月)
みどころ
温泉
水辺の景色(只見川・霧幻峡)
夏の景色(川霧)
紅葉
早戸駅 どこトレ 三島町観光協会


早戸駅(はやとえき)は、福島県大沼郡三島町にある、JR只見線

駅周辺

駅前には民家ひとつ無く、只見川と崖と道路しかない。 駅からは見えないが、駅前の細い道(旧道)を川の方へ降りてゆくと、#霧幻峡の船着き場がある。

早戸集落は、直線距離では駅からわずか数百メートルだが、駅前の崖の上、標高差100m以上もの高所にある。駅前の崖をよく見ると狭い階段が付いていて、昔は階段で集落まで登れたのかもしれないが、今は藪に呑まれて鬱蒼としており、歩けそうにない。早戸本村まで道路伝いに行こうとすると2kmあまりの大迂回になる。

駅前のトンネルくぐってすぐ(歩いて5分ほど、旧道は閉鎖されていて通行不可)、早戸集落の「湯ノ平」に出る。ここが#早戸温泉。只見線はこの下をトンネルで抜けるので、トンネルを出てすぐの所に駅が設置されたのだろう。

湯ノ平から早戸本村につながる遊歩道が整備されていたが、筆者が2018年頃に歩いた時には、すでに藪に呑まれつつあった。残念ながら地元の人はあまり歩かないのだろう。

当駅から早戸本村へ歩いて行けないこともないが、会津宮下駅行きの三島町営バス・デマンドバスが運行していて、列車に接続しているので、早戸本村へ行くなら町営バス・デマンドバスを利用する方が便利だ。

かつては早戸本村や三更集落の住民が主な利用客だったのだろうが、さしづめ現在は早戸温泉専用駅になっている。

早戸温泉

早戸温泉「つるの湯」と只見川
早戸駅と只見川「霧幻峡」

当駅から歩いて10分弱、駅前のトンネルを抜けてすぐの所にある。 小ぢんまりとした温泉地で、日帰り温泉施設「つるの湯」があるのみだが、良質の温泉が湧き、傷に効くとの開湯伝説がある。湯量も豊富で、もちろん源泉かけ流し。只見川の畔で景色も抜群、しかも駅から近い、穴場の温泉地。

つるの湯の裏手の温泉神社へ行くと、余った湯が只見川に捨てられている様子も見られる。

つるの湯」には2018年に改築(新築)された自炊専用の湯治棟が併設されており、1人旅から家族まで利用できる。自炊といっても近くに店は無いので食材は持ち込む必要があるが(カップ麺とカンケベーカリーのパンは館内で販売しており、飲料は自販機があり、魔法瓶や急須・湯呑みもあるので茶葉を持参すれば茶も淹れられる)、素泊まりや一人旅なら気軽に泊まれて良い。

商店は会津宮下駅付近か会津川口駅付近まで行かないと無い。週2回ほど移動販売が来るそうなので時間が合えば利用できる。食器や調理器具は自炊棟に用意されており、冷蔵庫・冷凍庫も完備で連泊にも対応できる。タオル等のアメニティは付かない(販売はしている)が洗濯機は無料で利用できる。予約は電話のみ。宿に着いたらまず日帰り温泉施設の受付で支払いをしてから湯治棟へ行く。風呂は日帰り温泉施設の大浴場・露天風呂と湯治客専用の内湯いずれも利用できる。

また、11時から19:30まで(冬は18:30まで、水曜定休)だが、「つるの湯」に併設の食堂「つるや」も利用できる。

時間が合わなくて筆者はまだ入ったことがないものの、並びにログハウスが建ち、「つるのIORIカフェ」が開店した。

携帯電話はドコモauSBいずれも圏内(要プラチナバンド対応)。

なお、早戸温泉には食事付きで泊まれる普通の旅館「竹のや」もあったが、2020年3月末に閉館した

霧幻峡

「霧幻峡」(早戸駅下)
三更側の舟着場
三更側から見た早戸駅(よく見ると列車も見える)
霧幻峡(三更集落)の歴史

早戸は三島町だが、只見川を挟んで対岸は金山町で、三更みふけという小さな集落がある。以前はもう少し大きな集落だったそうだが、山崩れで住めなくなってしまい、移転して今の規模になったそうだ。

※正確には、三更はさらに奥で、現在三更入口付近に残っている集落は雨沼あまぬまというらしいが、地理院地図には三更と記されている。ちなみに、郵便番号簿では大字大栗山おおくりやまに含まれる。

早戸温泉の南側に架かる「早三橋はやみばし」を渡り、急坂を少し登った所に入口がある。以前は金山町営バスが走っていて、今もバスの待合所が残っている(除雪道具置場になっていた)が、町外者は乗れなくなってしまい、いくら待ってもバスは来ない。

特に観光要素のない小さな集落だが、ここで、かつて橋が架かるまで使われていたという舟をイメージした渡し舟を始めた人がいて、話題になっている。

只見線が走る風景を撮影してはSNSに投稿し、国内や台湾で人気を呼んだ郷土写真家のほし賢孝けんこうさんという名物おじさんがここ三更出身ということで、少しずつ両岸を整備し、渡し船「霧幻峡むげんきょうの渡し」を始めた。

三更(金山町)側は1ヶ所、三島町側は早戸温泉と早戸駅の2ヶ所に舟着き場がある。

三更地内には「こんこん清水」などの幟も立てられており、地元の人たちの手づくりで少しずつ観光地化しつつあるようだ。

渡船は人気で予約が取りづらいようだが、早戸温泉に泊まれば早三橋経由で歩いても20分ほどなので、散歩に訪れても良いだろう。ただし熊が出るので、野生動物除けの鈴などを忘れずに。また冬は積雪のため通行不能となる。

三更側(霧幻峡の舟着場付近)から見た早戸駅と早戸温泉

沼沢湖の麓

三更(雨沼)集落の裏山 この見上げた先に沼沢湖がある

「早三橋」を渡って急坂を道なりにぐんぐん登ってゆくと、三更集落の裏手の山(右写真のような混交林)の上にあるカルデラ湖・沼沢湖ぬまざわこに出る。当駅から徒歩4kmの道のり。
⇒沼沢湖訪問記は会津水沼駅を参照

「湖の麓」と言うと一見違和感があるが、地理院地図を見ると、三更(雨沼)集落は標高275mほど、その背後の山が標高550m以上(高い所には584mの三角点がある)、沼沢湖は480mほど。つまり沼沢湖の湖面は200m以上高い所にある(ちなみに水深は約96mだとか)。いちばん高い三角点までは直線距離で600mほどだから、平均勾配50%。地形図の密な等高線を見れば然りだが、いかに急斜面かがわかる。

しかも、ここは豪雪地域だから、冬はこの急斜面に重い雪が積もるわけで、この厳しい環境に耐えてきたブナ・ミズナラ林が急斜面を支えているのだろう。

旧三更地区には1軒の保存民家まで道が残っている(その先は藪に呑まれている)が、途中には地形図にない滝があり川が流れていた。ここが最後に崩れたのは1964年だというが、その後も少しずつ地形が変わっているのだろうか。もちろん水源は沼沢湖だろうが、なんとも不思議な気分になる。


早戸温泉と霧幻峡

早戸温泉の写真は「会津・三島町」も参照。 早戸温泉~只見川・霧幻峡 Hayato spa & Tadami river "Mugen-kyo" valley

参考リンク