福島交通飯坂線
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📅 | 筆者の最終訪問時期:2019年夏 |
本稿は、2019年夏、またはそれ以前の情報です。 福島交通飯坂線へ訪問の際は、予め公式ホームページなどで最新の情報を確認してください。 |
福島交通(ふくしまこうつう)飯坂線(いいざかせん)は、福島駅(福島県福島市)から飯坂温泉駅(同)までを結ぶ鉄道路線。全線単線・電化。 通称は「飯坂電車」、略称は「いい電」。
沿線は住宅地で、市民の通勤通学や買い物などを支えている。電車は6時台から22時台まで走っており、日中も毎時2~3本あるので、飯坂温泉へ気軽に立ち寄ることができる。所要時間は全線で23分ほど。 元東急1000系の通勤型電車が2両または3両編成で走っている。途中乗降の乗客が多く、特に朝夕は混雑する。
みどころ
福島駅
JR福島駅東口を出て左手に少し歩くと※、駅ビルの隙間に飯坂電車の狭い入口が見えてくる。阿武隈急行と共通になっていて、改札前には福島交通と阿武隈急行の出札窓口が並んでいる。
阿武隈急行には2018年6月に鉄道むすめ「丸森たかこ」が誕生し、福島駅にも等身大パネルが設置されたが、飯坂電車には鉄道むすめ不在のまま。
「いい電1日フリー乗車券」は通年発売で800円。電車1日乗車券に、飯坂温泉共同浴場の1回入湯券(利用できるのは共同浴場のみ)が付いてくるので、福島駅から温泉に浸かりに行くなら往復するだけでお得になる。
また、1日乗車券に協賛温泉旅館の日帰り入浴券1枚がセットになった「飯坂温泉湯ったり切符」は1,000円で通年発売しており、こちらも往復+日帰り入浴するだけで元が取れる。
福島交通の出札窓口(福島、桜水、飯坂温泉の3駅のみ)での企画券やグッズ類の購入には、現金のほか2019年春より PayPay が、同年夏より LINE Pay が利用できるようになった。
阿武隈急行にも乗るなら、阿武隈急行と飯坂電車の両方が乗り放題になる入浴券付き「飯坂温泉日帰りきっぷ」が 1,500円で通年発売されており、かなりお得。こちらは阿武隈急行の出札窓口で購入できる(現金のみ)。
飯坂電車
長らく元東急7000系の中間車改造車が走っていたが、25年ぶりに新たに元東急1000系の中間車改造車が導入され、2019年までに置き換えが完了した。 [1]
車内は東急時代から変わらないロングシートだが、茶色の吊革に交換され、妻面は歴史ある飯坂温泉をイメージした木目調の壁面に飯坂温泉の暖簾が掛けられ、窓には沿線の春夏秋冬を描いたイラストと福島市観光PRキャラクター「ももりん」が描かれて賑やか。 市民の生活の足と観光輸送を兼ねる同線らしい内装になっている。
飯坂温泉
終着駅で降りると駅舎のすぐ脇を流れる摺上川。駅前に架かる十綱橋は平安末期に初架橋の伝承があるようで、土木遺産として駅前に案内板も掲出されている。
駅では無料のレンタサイクル(電動アシスト付きは4時間まで300円)が実施されている。駅舎にはコンビニ(ファミリーマート)が入居していて、補給にも便利。
改札を出て正面の階段を昇って駅舎を出ると、すぐ目の前が温泉街の入口。駅舎を出てはす向かいに「飯坂温泉案内処」(9~18時、無休)があり、温泉街の案内を受けられるので、立ち寄ると良い。タオルも案内処で購入できる(1枚100円)。
温泉街は駅から歩いて15分圏内にほぼまとまっていて、途中に狭い路地や坂道・階段も多く、ベンチなども方々にあるので、歩いて回ると良い。→飯坂温泉街あるきMAP (PDF)
飯坂温泉はその長い歴史とともに、源泉温度60℃前後の熱湯(あつゆ)がかけ流されていることでも知られる。泉温を下げるために加水している所もあるが、浴槽の温度は50℃前後に調整されていることが多いようだ。かなり熱い。
共同浴場が9軒もあり、各々源泉や温度・設備が異なるので、何度も訪れて楽しむことができる。そのうち1軒「天王寺穴原湯」は駅から2kmほど離れている(福島交通バス もにわの湯行きで「穴原」下車すぐ)が、他は駅から歩いて行ける範囲にある。詳細は案内処やホームページで確認してから訪ねると良い。
駅からいちばん近いのは、川沿い正面に歩いてすぐの「波来湯」(はこゆ)。歴史は古いが最近建て替えられて施設は新しく、熱湯だけでなく温湯(ぬるゆ)も設けられているので、熱い湯が苦手な人や子ども連れでも安心。
温泉街中央にある「鯖湖湯」(さばこゆ)は、最も古い共同浴場。趣のある木造の建物は、共同浴場としては日本最古の木造建築だそうだ。その隣の櫓に大樽が乗った貯湯槽もまた趣がある。泉温51℃、浴槽温度は47℃。
共同浴場に立ち寄るなら、飯坂電車の1日乗車券を買って行くと、入湯券が付いてくるのでお得。
また、温泉街に建ち並ぶ温泉旅館でも日帰り入浴を受け付けている施設が多い。 福島駅で「飯坂温泉湯ったり切符」(飯坂電車1日乗車券+日帰り入浴1回分のセット券)を買って行けば、協賛旅館で日帰り入浴できる。
駅から歩いて10分あまり、温泉街の中央付近、鯖湖湯のすぐ近くにある旧堀切邸では明治期築の屋敷が保存されるともに、足湯・手湯も設けられており、無料で利用できる。休憩・案内施設もあるので、散策がてら立ち寄ると良い。
円盤餃子と飯坂ラーメン
飯坂温泉には餃子の店が多い。「円盤餃子」と言い、大きな丸皿を埋め尽くすようにズラリと並んで出てくるのは圧巻。有名店の餃子の「照井」は駅から歩いて5分ほどだが、営業時間が夜のみなので立ち寄りづらいのが難。
駅からすぐの居酒屋「万来」はランチも営業していることがある。こちらでは飯坂ラーメンも定番メニュー。
飯坂けんか祭り
毎年10月初旬の週末に温泉街全体で開催される「飯坂けんか祭り」は三大けんか祭りと言われ、盛大に開催される。 八幡神社は鯖湖湯の裏手にあり、駅から歩いて15分ほど。
温泉むすめ「飯坂真尋」
飯坂温泉の公認キャラクター。駅でこそ見られないが、駅前の案内処(観光協会)に入ると温泉むすめコーナーが出来ているし、温泉街を歩いていても旅館や酒屋など方々で等身大パネルを見かける。
聖地巡礼よろしく、ファンが訪れてグッズ類を寄贈していくのだとか。こうしたコーナーは観光協会だけでなく、温泉街の中の老舗旅館や飲食店などにも私設の飯坂真尋コーナーがあって、愛されている様子がうかがえる。
見事な温泉むすめコーナーを作っていてファンの巡礼地になっている温泉宿もあったりするので、出掛けついでに湯ったり切符で日帰り入浴がてら訪ね回るのも楽しそう。
どれだけ多くの施設で見られるかは公式ホームページをチェック。
2019年9月には9ヶ所の共同浴場を巡る熱湯スタンプラリー(入浴は1ヶ所でOK)も開催されるよう。共同浴場の入湯券が付いている「いい電1日フリー乗車券」で出掛けよう。
駅一覧(各駅へのリンク)
⚠ |
駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線・備考 | 出札 | 配線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
福島駅 ふくしま |
- | 0.0 | JR東北新幹線・山形新幹線、東北本線、奥羽本線 阿武隈急行 福島交通 ももりんレンタサイクル |
◎ | | | 福島県 福島市 |
曽根田駅 そねだ |
0.6 | 0.6 | ももりんレンタサイクル | ▲ | | | |
美術館図書館前駅 びじゅつかんとしょかんまえ |
0.8 | 1.4 | ▲ | ◇ | ||
岩代清水駅 いわしろしみず |
1.3 | 2.7 | 福島交通「泉局前」 | ▲ | | | |
泉駅 いずみ |
0.3 | 3.0 | 福島交通「泉」 | ◇ | ||
上松川駅 かみまつかわ |
0.7 | 3.7 | 福島交通「上松川」 | ▲ | | | |
笹谷駅 ささや |
0.5 | 4.2 | ▲ | ◇ | ||
桜水駅 さくらみず |
0.9 | 5.1 | ◎ | ◇ | ||
平野駅 ひらの |
1.1 | 6.2 | ▲ | | | ||
医王寺前駅 いおうじまえ |
1.2 | 7.4 | ▲ | ◇ | ||
花水坂駅 はなみずざか |
1.3 | 8.7 | | | |||
飯坂温泉駅 いいざかおんせん |
0.5 | 9.2 | 福島交通 穴原経由もにわの湯行、杉の平行 ももりんレンタサイクル |
◎ | | |
- Suicaなどとの共通利用は行っていないが、福島交通の電車・一般路線バスのみで利用できるICカード乗車券「NORUCA」(のるか)が発売されており、全線で利用できる。各駅に簡易改札機が、主要駅に積増機(チャージ機)が設置されている。
【凡例】
- 出札: ◎=出札窓口・自動券売機あり、○=出札窓口あり、▲=一部時間帯に出札窓口あり、無印=窓口・券売機なし(車内精算)
- 配線:|=棒線駅(交換不可)、◇=交換可能駅、∨∧=単線と複線以上の境界駅、‖=複線以上の駅